麺屋 イロトヤ

約８ヶ月ぶりに伺ったが、入店前からオーダーするのは白湯系と決めていた。前回の清湯系が美味しかったので、こちらの商品にも期待。
スープを一口、適度な量の脂に覆われたスープは、程よい濃度でマイルドな口あたり。マイルドではあるが前回いただいたラーメンよりも味の骨格がしっかりとしていて、濃度の高まりを表すような舌に感じるサラサラとした食感が心地よい。醤油のきかせ具合も丁度よく、バランスの良さが光る。
中細より少し太めなストレート麺はしっかりとしたコシがあり、歯切れ感が心地よい。歯切れは良いがパッツパツという感じでは無く、シコシコとパツパツの美味しいとこ取りが出来ている感じで、スープともよく合っている。
鶏チャーシューは瑞々しく、しっとりとしている。軽く使われたブラックペッパーがよいアクセントで、肉の旨味が十分に楽しめる。
チャーシューは少し脂身の割合が多く、味付けも割と強め。
小ぶりなメンマは少し甘めの味付けで、箸休め的な立ち位置だと思うが、この白湯に使うには少し味付けが濃く感じる。
ネギは小気味よい食感で、風味はおとなしめでスープの邪魔をしない。
岩海苔は風味がスープとマッチしていて、すっきりとした香りが心地よい。
「まとめ」
程々に濃厚ではあるのだが、重さやくどさを感じさせないバランスの取り方が好印象な一杯。食べ応えがありながらも、和を感じるすっきりした出汁の性格も楽しめるのが嬉しかった。具材については、濃淡の2種のラーメンで全て使い分けるのも色々と無理があると思うので、少しちぐはぐに感じる所もあったが、やはり主役はスープと麺。そのスープと麺は双方ともにクオリティが高く、相性よく仕上げられていた美味しかった。ごちそうさまでした！

席に座りテーブルの上を見ると、雪の結晶を模したデザインのランチョンマットが用意されている。可愛らしい見た目で、こういう雰囲気作りは好きだ。
スープを一口、品名の通り和な雰囲気を纏ったスープは、尖った所がなく優しい。醤油のきかせ方が丁度良く、脂の量も少なめであっさりしているが、物足りなさは全く無い。魚介の良い風味が鼻に抜け、丸さと甘味のある旨味がじわっと後味として残る美味しいスープだ。
中細より少し細めのストレート麺は、弾力が強くモチモチした食感。一口目だけ僅かに麺が強く感じたが、すぐに馴染んで美味しく頂ける。
コリコリしたメンマに味付けは特に感じられず、箸休め仕様。
ネギは控えめな風味だが、このスープの強さに対してはこれくらいの力関係がベター。
鶏チャーシューはしっとりしていて、アクセントとして使われている胡椒も控えめ。スープとよくマッチしている。
チャーシューにも強い味付けは無く、肉の美味しさがそこそこ楽しめる。
磯のりはスープとの相性が抜群で、スープと一緒に口に入れると素敵な風味のコラボを楽しめる。この取り合わせは素晴らしい。
全ての具材を食べて、「このラーメンの主役は麺とスープなんだ。」と言われている気がした。主役の邪魔をしないように、全ての具材に気配りがされていて、この一杯はコンセプトがちゃんと考えられて作られているんだなと感じた。あっさりと仕上がっているが一口目から過不足なく、最後まで美味しくいただける自分好みの一杯だった。ごちそうさまでした！