蝉吟

声が小さくて聞き取りづらく、接客というのか？という感じで席に案内される。
和え麺という事で、スープが無く麺にソースやタレ的な物を絡めて食べる物だろうと思って待っていた。和え麺・まぜそば・まぶし麺…、色々と呼ばれ方はあるが、スープの無い麺料理は食べ終えるまで飽きずに美味しく頂く事が出来るかが重要だと思っている。
運ばれてきた和え麺からは、海老の良い香りが漂う。中細のストレート麺は、ネットリとした舌触りともっちりとした食感で、この舌触りは快感。しかし食べ進めていく上で、麺の細さ故にソースとの絡みが過剰で、濃厚な海老の旨味のあるミートソースがくどく飽きがくる。麺がソースに埋もれていく感があり、食べ始めの美味しさが食べ終わる頃にはしんどさに変わる印象。これなら普通にフレンチ料理を作った方がいいし、ラーメンみたいな麺を使う必要性はあるのだろうか。
色んなジャンルの料理の技法を取り込んだラーメンは多々あるが、この一杯は技法を取り込んだメリットが感じられなかった。お酒や自家製ジンジャーエールなどもラインナップしている様なので、基本的にドリンクと合わせてコースの様に楽しむ感じに設計されているのかなとも思ったが、それならラーメン店なんていう形式をとる必要は無いし…。いまいちコンセプトがはっきり伝わってこないもやもやした食事だった。ごちそうさまでした。