麺や 椒

友人が地元から北海道に遊びに来るという事で、新千歳空港に迎えに行った足でそのままこちらへ。
スープを一口、鶏がメインだろうか？動物系の旨味がきいているスープは、サラッとした質感に仕上がっている。商品名には「濃厚」とあるがそこまで重さは無く、ゴマも支配的になるほど主張せず、味の均衡が上手くとられている。辛味やスパイス感は程よく食欲を煽ってくる感じで、スープを掬うレンゲの速度を加速させてくれる。
中細ストレート麺は程よいコシがあり、プツっという感じとは少し違うが、心地よい歯切れ感があって美味しい。
カシューナッツはコクコクっとした食感が小気味よく、スープを吸った挽き肉はジューシー。
トマトは口の中をさらっとさせてくれるのと同時に、心地よい風味と爽やかな酸味が楽しめる。
チーズをスープに広げてみる。全体的なコクが増すと同時に少し濃厚になるが、過剰に主張してチーズで染まる様なバランスになっていないのが嬉しい。
豆苗は独特の風味がスープととても合っていて、歯応えも良くとても美味しい。
「まとめ」
スープのじわっと広がる旨味とゴマの相性が良い、色々な味の要素を上手に纏めたバランスの良い一杯。辛味やスパイス感も万人向けで食べ進め易く、味覚のリソースをそちらに奪われないのも嬉しかった。トマトにチーズという組み合わせな事もあり、少しイタリアンな雰囲気も併せ持っていて、女性にも受け入れられやすい仕上がりになっていると思う。ごちそうさまでした！

なんとも典雅な雰囲気をまとった、品があるビジュアルの一杯が運ばれてきた。
スープを一口、角がなく優しい塩がきいたスープは、あっさりとしているが物足りなさは無い。じわじわと鶏系の旨味の主張があり、下支えするホタテ貝柱とかき節の出汁がスープを上品に纏めている。経験として、この類のラーメンは後半に向けて満足度が更に上がっていくので、食べ進めるのが楽しみになる。
中細より少し細めのストレート麺は、その細さらしからぬモチモチした食感。これだけ力がある食感だと、もう少し細くても力負けする事なくこのスープに合いそうだが、この方が麺の美味しさを楽しめるからこその仕様なのかもしれない。
鶏チャーシューは少し硬めの噛み応えだが、パサつき感は僅か。スープとの相性が良く美味しい。
レアな見た目のチャーシューは柔らかでジューシー感があるが、前回頂いた時より少し肉の旨味が抜けている様に感じた。
三つ葉は少し大人しめだが良い風味が味わえ、穂先メンマは甘めの味付けが良いアクセント。
黄身に少し味付けを感じる味たまごは、スープにひたして美味しく頂いた。
すすきのという立地だと、もっとパンチがあってジャンク感のある味の方がお客の入りはよさそうだが、出来る事ならばこういうスタイルのラーメンを提供し続けて欲しい。シンプルだと言われればシンプルな一杯なのだろうが、上品な味の骨格から伝わってくる素材の質の高さは、食べ終わった時になんともいえない満足感がある。個人の好みで言えば前回頂いた醤油の方が好きだが、食べ始めから終わりまで、ずっと鼻に抜ける香りが心地よいこの塩もとても美味しかった！ごちそうさまでした！

綺麗な見た目が食欲をそそる一杯が運ばれてきた。
スープを一口、鶏系の味が強く主張するスープは、少し塩気が強めだが丸く優しい旨味がある。甘めの醤油も程よくきいており、ベースと醤油のバランス感が良い。脂の量も適度で、重すぎる事のない美味しいスープ。
細ストレート麺は心地よいコシがあり、もちっとした食感が楽しめる。かすかに甘味が感じられ、スープとの相性も良い。
穂先メンマはしゃくっとした食感で、醤油スープと非常に相性が良く美味しい。
ネギはまとめてレンゲで頂くと、食感と風味が楽しめる良い薬味。
鶏チャーシューにパサつきは全く無く、鶏とスープの旨味のコラボが楽しめる。レアチャーシューはジューシーで、肉の旨味が堪能できる。レア系のチャーシューが好きな自分には嬉しい仕様。
三つ葉は心地よい歯応えがあり、口の中に爽やかな良い風味が広がる。スープとの相性も抜群。
中華そばとしては濃厚な部類だが、ベースの素性も楽しめる素直さがある。具材も相性の良い物が選定されていて、食べ進める途中も飽きる事が無い。こういう書き方はあまりしたくないが、以前この場所にあった「すすり」さんを彷彿とさせる美味しい一杯！塩味も近々メニューになる様なので、そちらも楽しみにしています！ごちそうさまでした！

元々は淡麗系ラーメンの「すすり」さんだった店舗。新しく開店したこのお店は担担麺を中心としたお店の様だ。
スープを一口、胡麻が主張しすぎていないスープはサラサラとした舌ざわりがある。辛味はそこまで強く無く、山椒の痺れる感じが心地よくきいている。個人的には心地よいと表現したが、山椒が苦手な人にはオススメ出来ないレベルだと思う。スープの濃度自体はそこそこに濃厚に仕上がっているが、食べ進めにくさはあまり感じない。濃度・辛味・痺れのバランスがとれているスープだ。
緩いウェーブのかかった細麺は、歯切れの気持ちよさがある。強めのスープや辛味に埋もれない強さがあり、辛味で味覚が活性化されたか、麺自体の味も濃く感じる。
ぱっと見える具材はパクチー位しか無いのだが、このパクチーが意外と控えめな性格。パクチー独特の強い風味をあえて避けての仕事なのかな？個人的にはもう少しパクチーらしさが出ていても良いかなと思った。
レンゲで丼の底からスープを掬うと、挽肉やナッツ類が出てきた。挽肉の味付けとスープの相性が良く、そこにナッツ類の食感と風味が合わさって、口の中で美味しさのコラボを楽しませてくれる。
担担麺という料理は、店によってかなり味の趣向にばらつきが出る物だと個人的には思っている。胡麻がいたずらにでしゃばっている担担麺が苦手なのだが、この店の仕様は好みだった。逆に胡麻のペーストががっつりきいている様な担担麺が好きな人には、少し胡麻感が物足りないのかもしれない。山椒の痺れる感じも堪能できたので、次回は別メニューのトマトが入った物を食べてみたい！ごちそうさまでした！