麺や けせらせら

4年半ぶりくらいの訪問。色々な店をコレクター的な食べ歩きをしていると、月日の経過が早い気がする…。
スープを一口、以前の記憶が遠すぎてはっきりしないが、かなりライトな口あたりになった印象を受ける。「鶏白湯」というジャンルが広がりはじめてから主流となりつつある濃厚系ではなく、あっさりめに仕上げられたスープは、強いパンチはないが後味の丸さが心地よい。じわっと口に広がる旨味に、角を感じない程度に塩が上品にきいている。
プリッとしてスクエア感のある麺は、中細より少し太く感じるちぢれ麺。モチモチして美味しいが、このスープに対しては少し麺が強いか。
柔らかめでコリコリっとした食感のメンマは、少し香辛料の刺激がきいている。
チャーシューの旨味はそれなりに楽しめるが、このスープに合わせるのであればもう少し味付けが強くてもよいかも。
カイワレは鼻に抜ける風味が心地よく、口の中をさっぱりさせてくれるのも嬉しい。
見た目にしっとりしている感じの味たまごは、味付けも黄身のトロっと具合も絶妙でとても美味しい。
「まとめ」
スタンダードな王道の鶏白湯といった感じで、よく言えばシンプルに美味しい。素材の素性を素直に味わうという意味ではこの塩がよいのだろうが、一杯のラーメンとして楽しむのならば、前回いただいた醤油の方が味の豊かさとしては好き。前回このお店を訪れたのがかなり前なので記憶違いかもしれないが、スープ自体の濃度も少しライトになった感じもする。後半にじわっと旨味がきいてくるこういう仕様のラーメンは好みなのだが、欲を言えばもう少し深みというか旨味の層があったらいいなというのが正直な所。ごちそうさまでした！

スープにレンゲをゆっくり入れると、スープに少しとろみがあるのを感じる。
口に運んだスープは鶏の旨味を伝えるのに十分な濃度を持っており、醤油との相性も抜群。
これだけしっかり鶏の旨味を持っていながら、臭みが気になるという事は全くない。美味しいスープだ。
往々にしてこの手のスープは箸休めというか薬味というか、スープの強さを一旦落ち着かせる具材のセンスが問われる事が多い気がする。
この店のソレはカイワレだろうが、これが自分としては好みであり大ヒットだった。
麺は中太の縮れ麺で程よい歯ごたえともっちり感があり、スープとの絡みも良好。
チャーシューと味たまにも丁寧な仕事ぶりが感じられ、一杯のラーメンとして丸く優しい印象。
このクオリティのラーメンを720円で食べられるこの店に感謝しつつ、ごちそうさまでした！