ブレ～麺

ラーメンを持ってきてくれた店員さんから「半分ほど食べてから、茶色の物を全部入れてかき混ぜて食べて下さい。」と説明があった。お好みではなく全部入れてという事は、それがこのお店が最も美味しいと思っている食べ方だと思うので、こういうアナウンスは本当にありがたい。
スープを一口、刺さる所が無い優しい塩加減のスープは、メニューのイラストによると「豚・羊・鶏」が使われているようで、その中で一番アピールしてくるのは鶏。じわ～っと広がる旨味が楽しめる感じの濃度で、あっさりすっきり系の鶏白湯という印象。塩気が強く無いのでスープの細やかな美味しさが楽しめ、ゴクゴクと最後まで飲み干せそうな仕上がり。
緩くウェーブのかかった中細麺は、程よいコシがあり歯切れ感が心地よい。僅かにスープより強い気もするが、中盤からの味変を前提としていると予想。
水菜と人参そしてパプリカは歯応えが良く、各々の性格がそこまで強くないので優しいスープの邪魔をしない。少しフレンチドレッシングぽい味と酸味が感じられる。
軽くフライドされているポテトは甘味があり、カボチャはホクホクしていて美味しい。
プチトマトは柔らかく、酸味を伴った優しい甘さがある。
厚めのチャーシューは柔らかで、肉の旨味がしっかり楽しめて美味しい。
温泉卵はトロっと具合が心地よいのは勿論の事、強い味付けは無いが黄身の旨味が濃厚。スープに少しさらしていただくのがオススメ。
最初にされたアナウンスの通りに、茶色のやつをスープに全部入れて混ぜてみる。魚粉の塊かと思っていたそれはババロアの様にプルっとしていて、スープに入れて混ぜると楽にスッと溶ける。魚介系に染まりすぎて味がガラッと変わってしまうのかと危惧していたがそれは杞憂で、支配的にはならず軽く魚介の風味と出汁の様な旨味がプラスされる。この状態になると野菜についていた酸味が少し合わない気もするが、麺とスープのバランスはこの状態の方が良いと思う。
「まとめ」
塩加減や味の方向性、そして具材や味変の仕組みなどから、食べる側への配慮が随所に感じられる楽しい一杯。スープの濃度は高く無いが物足りない印象は一切受けず、スープを飲み干すまで飽きずに美味しくいただく事ができた。火曜日の昼のみ営業という事で都合が合わせ辛い人も多いと思うが、鶏系のあっさりしたスープが好きな人は、都合をなんとか合わせて食べてみる価値があると思う。ごちそうさまでした！