とくいち Nouilles Japonaise

店内は和と北海道の伝統が融合された感じのインテリアで、柔らかく落ち着きのある雰囲気。席に着くとショットグラスに白い錠剤の様な物が入っていて、初見だと何かすぐに把握できなかった。お冷やを持ってきてくれた店員さんがショットグラスに水を注ぐと、ムクムクっと白い物が膨らんでおしぼりになる。勘の良い人ならすぐに分かるのだろうが、自分はシンプルに面白い演出として楽しめた。
スープを一口、鶏の旨味がどしっときいたスープは、適度な塩気で尖った所がない。味の系統としては優しいが、鶏を中心とした複雑で力のあるしっかりとした味の厚みがあるので、控えめな塩気でも物足りなさなどは皆無。後味はすっきりしていて、ほのかな丸い甘みの余韻を楽しむ事ができる。
中細のストレート麺は心地よいコシがあり、モチモチとシコシコの間の様な食感。スープとの相性は良い。
ネギの味と風味はスープの邪魔をしない丁度良い程度にきいていて、シャキっとした食感もいい感じ。
穂先メンマは軽く柚子の風味がついているが、この風味のつけ方がスープとよく合う絶妙な塩梅。
鶏チャーシューはそこそこに噛み応えがあって香ばしく、味付けの強さも丁度よく美味しい。
「まとめ」
鶏の旨味がぎゅっと凝縮された、すっきりした後味の余韻が楽しめる上品な一杯。繊細なスープを壊さない様な具材の選定がされていて、全体のバランスがしっかり考えられている事にとても好感が持てる。店員さんが他のお客さんに醤油味の商品について説明しているのが聞こえてきたが、どうやら塩味とは色々と仕様が違うらしい。それぞれのメニューで麺や具材を使い分けるのはとても手間がかかると思うが、その手間を惜しまず商品作りをしている姿勢から、美味しい一杯を提供しようという気概が感じられた気がした。ごちそうさまでした！