昔風中華そば そうすけ

具材の種類が多く、目を楽しませてくれる一杯が運ばれてきた。
スープを一口、厚めの脂に覆われたスープは、少し塩の角が気になる。動物系の丸めの旨味に甘めの醤油が適度に合わせられているが、旨味の性格がのっぺりとした感じで、少し奥行きや細やかさに欠ける。辛味は感じないのだが、飲み込んだ後に口の中が少し温かく感じるのは、使われている香味野菜の効果だろうか？
中細の縮れ麺は強めのモチモチ感で、しっかりと力がある。スープとのバランスは良好。
ネギはシャキシャキと良い食感で、一緒に盛り付けられているカイワレも風味が際立っていて良い。
チャーシューは少し歯に挟まる感じの食感で、肉の旨味はそれなり。炙った香ばしさがスープと合っている。
ザクザクしたメンマはなんとも言えない変わった風味があり、自分はあまり得意ではない。
小松菜は程よい苦みが口の中をサラッとリセットしてくれる。ワンポイントのアクセントとしてとても良い。
海苔は風味が乏しく、麩はスープを吸ってジューシー。
味たまごの味付けは程よく、黄身のトロっとした具合も丁度よく美味しい。
強めに主張している旨味の性格が出汁などの細やかさを塗りつぶしてしまっている感じで、もう少し押し出す所と引く所のバランスを取り直すとガラっと味わいが変わるのかもと思った。作ろうとしている味の方向性的に、680円でこの具材の数を入れるのでなく、少し種類を減らしてスープの材料にコストをかけた方が良いかなというのが正直な感想。ごちそうさまでした！